トラキア人の墳墓(世界遺産)
ダマスクローズで有名なブルガリア中部にあるカザンラク近郊にある、レンガ作りの丸天井型地下墳墓(カタコンベ)。
古代墳墓の中でも最も保存状態の良い壁画を持つもので、古代東ヨーロッパに住んでいたトラキア人のオドリサ族の王セヴトス3世の家臣のために建てられたとされています。
この墳墓は広大なトラキア人の共同墓地の一部で、狭い回廊と丸い埋葬室が特徴的で、紀元前4世紀にまでさかのぼる貴重な史跡となっています。
埋葬室上部の装飾部分には二幅馬車の競技、埋葬の儀式や祝宴の場面が見て取れます。
中でも、トラキア人夫婦がお互いの手首をつかんで告別の身振りをしていることが印象的です。
この古代ブルガリアの貴重な史跡は、防空壕を作っていた兵士によって第二次世界大戦中の1944年に発見されました。
その後、1979年にユネスコの世界遺産に登録されました。